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経営コンサルタントとして・・・初心に返る時間

9月30日、10月1日と、中小企業大学校 東京校の、中小企業診断士養成課程の13期の講義・演習を行ってきました。
今の養成課程の制度は、中小企業診断士の一次試験の合格者を対象に、全国から毎期60人~80人程度の応募者を募り、半年間の様々なカリキュラムを習得(半年間は毎日それに専念する形)したうえで卒業することで、診断士資格の取得ができるというものです。

 

私は、旧制度の養成課程の時から講義に関わっていましたが、2006年に新制度に移行するにあたって使用する「組織・人材マネジメント」分野の使用教材(テキスト)の執筆を行った経緯もあり、今も、年に2~3回 各期の同テーマにおける講義・ケース演習を担当しています。
明日の経営コンサルタントの育成に関わるという立場で、楽しくも、個人的に刺激のある時間となっています。

 

研修生は、大きく分けると、個人受講(卒業後にプロのコンサルタントとして独立等を目指す人)、金融機関から派遣されてきた人(卒業後はそれぞれの職場に戻りそのスキルや資格等を活かしていく)、各地域の支援機関から派遣されてきた人で構成されていて、年齢も20代から60代まで様々ですが、全国各地から集まってきた研修生は皆、卒業後は、何らかの形で、中小企業の成長に直接・間接的に関わっていくことを希望している人たちです。

 

毎回、私の熱い講義(?)に熱心に耳を傾けて受講してくれる研修生には感謝しています。養成課程期間中においては限られた接点ですが、授業後に私の講義内容やコンサルタントとしての考え方に共感してくれる研修生から連絡を頂くこともあって、それをきっかけにして、今も定期的にコミュニケーション(飲み会が中心ですが(笑))をとり続けている人たちもいます。一緒に何らかの形で仕事関わるなんてこともあります。

 

今回の13期は特に反応が熱く(変な表現ですね・・・)、いつにも増して、私も楽しく講義を行うことができました。机上での知識先行型の研修生に、少しでも実践(経営の現場)で力を発揮してもらえる支援者や経営コンサルタントになってもらうために、実践での厳しさも伝えないといけませんし、十社十色である中小企業の会社の本質をいかに、見極めることができるかも含めて、話したいことも盛りだくさんで、質問も多数で(毎度ではありますが)今回も最終日の授業終了後も何人かの研修生と教室で時間を忘れて話し込んでいました。

 

世の中には、「経営コンサルタント」という仕事を行っている人は多数いると思います。
ただ、サポートする中小企業に対して、単にパッケージ売り的であったり、事実上、フレームワークやテンプレートを提供することで終わってしまったりするケースも多々目にします。そうした状況を見るにつけ、使えない理論の押しつけや机上の空論でなく、本当に実践できる具体的な考え方を方法とセットで「会社と社員の成長」に貢献できているコンサルタントがどれくらいいるのか・・・(自分のことは棚に上げて話していますが)様々な場面や場所において考えさせられることもしばしばです。かつて受けたコンサルティングで社長がコンサルタント嫌いになってしまった会社に、後から私が入ってサポートするなどということも少なくありません。
ですので、これから経営の現場で関わっていこうとする研修生には、こうした機会に、少しでも「本物のコンサルタント」なってほしいという強く純粋な思いで、私の経験もできるだけ話しをしつつ進めています。

 

毎回、程度の差こそあれ、多くの研修生から感じることは、「物事や事実・事象を先入観なしにありのままに受け止める力の弱さ」「実践的な視点で深く考え検証・分析する力の弱さ」です。「机上の試験で唯一絶対の答えを導き出すことに慣れてきた(ある意味、学校教育自体がまさにそうですよね)」研修生にとって、唯一絶対解のない経営の現場自体がそもそも困惑ということもあるかもしれません。研修の現場でグループ討議を行ってもらっていても、放っておくと、自ら思考を停止させてしまい、「早急に答えを探したい、事実をさっさと要約してまとめたい」「きっとこんな感じだろう(こんな感じに違いない)」、という「妄想・憶測の世界に入ってしまい」事実を誤認してしまったり、深く本質を見極めることができずにいる研修生も少なくありません。

 

「物事を先入観なしにありのままに受け止めた上」で、それをベースに会社の本質的な問題や風土を含めた現状を探り検証して行くことによって、会社の現状と今後の展開のイメージを経営者とシッカリと共有するところから、私のコンサルティングはスタートします。この最初の極めて重要なハードルを越えることができないままに、どんなに分厚い診断レポートを作って置いてきても、どんなにきれいな制度作りや戦略作りやかっこいい研修等をいくら行っても、コンサルティング先には真の変革どころか混乱を与え、時間と体力とコストの無駄遣いをさせてしまうことにもなりかねないからです。

 

そういう意味では、私は、世の中で盛んに言われる、「仮説思考」の危うさを感じずにはいられません。
その会社のことをまだ何も知らないのに、机上で集められる資料をどんなにたくさん集めても、そのある種の偏った思いこみの中からいくら「仮説を立てても」そんな仮説は、頭でっかちなコンサルタントのひとりよがりの思いこみやプライドを補完するものにしかならないからです。その「偏った仮説」に基づいて、社内でいくらヒアリングを重ねても、結果は、自分の立てた狭い仮説を正当化する材料にしかなりませんし、そのような前提でいくら会社を眺めてみても、相手先からは何もホンネも引き出せないことでしょう。結果として、会社の本当の問題や病巣は何ヶ月、何年関わっても見えてこないのです。これから経営コンサルタントを目指す人たちは、このことをシッカリと認識してほしいと強く思います。

 

私の場合は、コンサルティングに入る段階で、必ず、その会社の経営者から管理者、一般社員の人まで、何十人もの人たちと各々1対1で個室でインタビュー(各1時間ずつくらい)を行います。小さな会社でしたらほぼ全員の方と面談することもあります。
インタビューの際に、私の机にあるものは、メモ用の1冊のノートとその会社のパンフレット(HP等のコピー)と組織図・・・それだけです。
私は、その会社も業界も知らないのですから、仮説もなく真摯に純粋に目の前にいる人から教えて欲しい、というスタンスでインタビューを繰り返していきます。
それだけのもので、何の先入観もなく、一人ひとりと丁寧に話をしていくことで(話しは画一的ではなく流れによって変わりますし、どんな質問をするのかも順番も明確には決めていません。ここにはお伝えしにくいノウハウがあるのかなとは思いますが・・・)、社員のありのままの意見を吸い上げる中から、単なる集めた情報の整理でも社員の声の代弁者でもなく、会社の本質的な問題等を私の知識と経験も総動員して分析し私自身の言葉で整理したものを(言いにくいことも多々あったりもしますが)経営者と共有します。全てはそこからスタートするのです。

 

冒頭にお話しした「中小企業診断士養成課程」での講義は、私に、こうした経営コンサルタントとしてのあるべき大事な考え方や取組スタンスを改めて確認させてくれる場であるとも言えるかもしれません。研修生とのコミュニケーションの中で、駆け出しの頃の自分を思い出すことも含めて、私自身が初心・原点に立ち返ることができる時間ともなっていると感じます。
今回の研修生の成長を願っていますし、また、次の期の講義も楽しみにしたいと思います。

 

10月ですね・・・今年も、あと3ヶ月となりました。
今年を振り返るにはまだまだ早いですが、秋の夜長に、少し落ち着いてじっくりと今後の自分自身を考える時間もまた大事にしたいですよね。